医道の広場 (2022/03/19)

大人も子どもも協力して、”免疫の壁”をつくろう!!

今月初めから、5-11歳のCovid-19ワクチン接種が始まりました。当院でも早速3/12の枠(+その三週間後)から10人づつ開始しました。ところが、成人に比べ、児童の接種については問い合わせも予約も伸び悩んでいます。

特にうちの診療所では、比較的接種可能な医院の少ない福島区や西淀川、淀川など他区の方が来られている一方、お膝元の此花区の方が極めて少ない状況となっています。

いろいろ情報を聞きつけると、みなさん接種については様子見を決める方が多いとのことです。そこで保護者がお持ちであろう”あるある疑問”についてお答えします

1)子どもは重症化しないから、予防接種なしでも安全?

確かに海外の統計からも小児の重症化が少ないことは事実です。しかし大事なことは”感染のしやすさ”は成人とほぼ変わらないこと、そして感染が分かった場合、ほぼ家族全員が濃厚接触者となり、当然ですが休職など社会活動に影響が出ることです。さらに子ども自身は軽症でも、感染した成人は重症化することは十分あり得ます(感染を媒介する)。前にも書きましたが、接種可能な家族全員で免疫抗体を作り、(アレルギーなどで)どうしても接種ができない人を囲むことが、パンデミック感染では重要です(これを私は”免疫の壁”と呼んでいます)

2)子どもについては、予防接種の影響が不明で、リスクが高い

こうした声もよく耳にします。しかし成人と小児でのリスクの大きさの違いは何も分かっていません。ワクチンの副作用や危険性をあおる情報がよくネットなどであふれていますが、そちらこそ何の根拠もありません。こうした新規の薬剤を用いる場合は、利益(ベネフィット)と弊害(リスク)を考えますが、今回のパンデミックは果たしてどちらが大きいか? 少なくともCovid19の感染リスクがあることは間違いありません 一つの目安は、院長の私をはじめほとんどの医療者も(アレルギーなどで接種不可の例外を除き)患者様に先立って率先して接種していることでご判断ください。個人的には、予防接種のリスクより、喫煙者の家族による副流煙(煙を吸わされる)や、携帯ゲームなどのやりすぎ(ゲーム依存)の弊害の方がよほど将来に影響すると思います。

ともかく家族、同級生、町内、職場などのコミュニティ全体で、ワクチンの”免疫の壁”をつくりましょう

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