院長の”一言居士” (2022/02/02)

当院がコロナ発熱外来を実施しないワケ

新型コロナ禍中の真っただ中、オミクロン株が猛威を振るう今日この頃です。

すでに感染した方はお気の毒な一方、未感染のままワクチン追加接種も待たれている方、様々な理由でワクチン未接種の方は、感染拡大の不安も相当あるかと思います。

別のブログで、新型コロナの特徴と、ワクチンの重要性についてお話ししましたが、現状当院では、発熱はもちろん、咽頭痛など感冒症状のある方も診察を一旦お断りすることが増えています。せっかく来ていただいた方に申し訳なく思う一方、これはやむを得ないという事実もあります。ここではその点に触れたいと思います。

まず、なぜ病気を診るべき医療機関が「診ない」という一見すると真逆の対応をするのか? 簡単に申しますと①発熱外来枠増設が難しいことと、②ゾーニング対応の不備です。

発熱外来枠をつくるためには、たとえば検診や高血圧、糖尿病など慢性疾患をもつ患者様(非感染者)とコロナ疑いの患者様(感染者)それぞれの診察で、時間または場所を分ける必要があります。つまり(待合室や診察室など)院内でお互いが鉢合わせになることはできる限り避けねばなりません。特にワクチン接種で来院する方は、健康かつコロナ未感染の方がほとんどなので、院内で感染するようなことは確実に防がなければなりません。

また医者が一人しかいない場合、時間的にどちらか一方の外来しかできません。先ほど「時間をずらす」と申しましたが、感染者がいた診察室をそのまま非感染者が使うのは、いくら消毒したり窓を開けても、感染リスクを考えると望ましくありません。そうすると全体を透明シートで覆うなどの処置が毎回必要となります。また医療者である我々も、PPEという特殊な上着や顔面シールドなどで職員同士の感染も防ぐ必要があります。

こうした感染者と非感染者の診察の動線を分けることを「ゾーニング」と言いますが、まさにこの区域分けが当院では現状難しいと判断して、残念ながら発熱外来設置を見送りました。その代わりコロナの「免疫の壁」をつくることを推進するため、積極的にワクチン接種の枠を増やして対応しています。

ただ咳や咽頭痛など感染症疑いの患者様を全く診ないわけではなく、いったん他院の発熱外来を受診しコロナPCR検査で陰性がでれば、当院にて薬物処方など治療対応を致しております。

此花区内でも発熱外来を実施する医療機関が7か所に増えました。大きな暁明館病院さんはともかく、他施設の医院では工夫をされて発熱外来を設けているのは本当に頭が下がります。ただ基本施設ごとに考え方や患者の層には違いがあります。

やはり現段階ではCovid-19は、まだ治療手段が確立していない感染症です。当院では、Covid-19が、他の感染とは一線を科す形で対応するよう考えておりますので、ご迷惑をおかけしますがなにとぞご理解ください。

 

 

 

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